カーコレクション考察
自動車の割合と色

はじめに
 THEカーコレクションで多種多様な自動車が供給されるようになり、現代の街並みの再現に欠かせない車もそろってきた感じになってきた。一昔前だと今風の車はTOMIXのクラウンセダンやクラウンワゴンばっかり。「いつかはクラウン」なんて言われてたけれど、Nゲージの世界はこれでは「いつでもクラウン」だ。KATOの90年代トヨタ車シリーズの発売は車のラインナップを増やすチャンスになった。が、しかし1/160で小さすぎて違和感がある・・・という状況だっただけに、現代の街並みを作っている身としてはTHEカーコレクションの登場はうれしい限りである。しかし買ってきたカーコレクションを路上に並べてみると違和感がある。軽自動車が模型として売られていないのは今後のラインナップを待つとして、車の色が派手すぎると感じたからだろう。そのため、実際に走行してる自動車がどのような割合であるかを簡単に調査した。
 分類は軽自動車・コンパクトカー・セダン・ミニバン・商用バン・小型トラックとした。バス・大型トラック・タクシーは除外した。バスや大型トラックやタクシーは道路の立地によって数が左右されやすいので、調査結果を模型に応用することが出来ない。バス路線の通ってる道の模型ならばバスを多めに置けばいいし、タクシーが客寄せをしやすい繁華街ならタクシーを並べれば良いからだ。トラックなどは幹線道路であれば多いだろうし、バイパス道路が他にある設定ならばトラックの数は少ないはずだ。さらに、バスやトラックやタクシーというのは趣味で置くこともあり脇役ではないと判断したためでもある。

 脇役としての自動車を効果的に配置するため、自動車タイプと車体色の割合を調査した。(というか、実際の道路にこんなにカラフルな車ばっかり居ねえよ!という証明でもあるw)

▲非常にカラフルで自己主張の強い脇役。実は痛車が1台混ざっているが、見事に目立たない。蛍光色オレンジデミオとか強烈なピンクヴィッツとかものすごい主張の強い色だと思う。

分類について
軽自動車
軽トラックと軽商用箱形バン(車種例:サンバー・ハイゼット)は別に集計したため除いた。軽ハッチバック(ミラ・アルト等)・軽トールワゴン(ワゴンR・ムーヴ・トッポ等)・軽箱形乗用ワゴン(エブリィワゴン・タウンボックス等)が対象。なお、軽スポーツカー(ビート・AZ-1等)は1台も見なかった。
コンパクトカー
ここではフィット・ヴィッツ・デミオ・マーチ等に代表されるハッチバックタイプの小型車を対象とした。
セダン
ここでは3BOXスタイルの車(横から見ると凸形)を対象とした。プラッツやベルタのような小型セダンからセンチュリー(調査中に実際に走ってた)のような大型セダンまでを含む。セダンかハッチバックか微妙なプリウスはセダンに分類した。
ミニバン
ここではミニバン(オデッセイ・ウィッシュ・ストリーム等)や乗用ワンボックス(エルグランド・エスティマ等)やステーションワゴン(フィールダー・インプレッサワゴン等)やSUV(ランクル・パジェロ等)を対象とした。ステーションワゴンやSUVは本来はミニバンではないが、1/150模型として見た場合のことを考え、ここに分類した。
商用バン
商用ステーションワゴン(プロボックス・ADバン等)や商用軽箱バン(サンバー・ハイゼット等)やワンボックスバン(ボンゴ・ハイエース等)を対象とした。
小型トラック
軽トラック〜3t車あたりまで(デュトロ・キャンタークラス)を対象とした。4t車以上になると企業宣伝入りが増えるため除外。

クーペとオープンカーと痛車に関しては模型にする時は個人の趣味で置いたり置かなかったりすれば良いと判断し除外。除外する以前に1台も見なかったのが実状である。

調査場所
交通量の多い幹線道路で調査。片側3車線。赤信号で交差点前に並んだ車を調査するという感じで行います。写真を見ての通り、鹿児島市電沿線の大通りです。

こうやってなにげなく写真を撮ってみても、目に付く車はどれも白・銀・黒ばかり。車種も手前の方に居るのだけでプリウス・クラウン・ADバン・ワゴンRという車種であり、結果がどうなるかもう既にわかってるようなものです。それにしても市営バスの黄色は遠くからでもすごく目立つ。

調査結果
昼間14時頃 15分間調査
  コンパクト セダン ミニバン 商用バン 小型
トラック
14 4 11 8 13 12
6 7 15 15 3 1
11 0 1 2 0 0
赤系 6 3 0 0 0 0
青系 3 6 1 0 1 1
その他 クリーム1         クロネコ1
(割合) 28% 14% 20% 17% 12% 10%

 やっぱりというかなんというか、白・銀の車が圧倒的に多い。軽とコンパクトカーについては色の付いた車もそこそこ、という感じでしょうか。ただ、赤系とか青系といっても真っ赤や真っ青ではなく、淡いピンクのメタリックとか、薄いブルーのメタリックとかが多かったです。たまにフィットのソリッドレッド(真っ赤)とかデミオのグリーンとか走ってました。軽やコンパクトカーは個人の車として所有される傾向があるため色付きも多いのでしょう。ミニバンやセダンは色付きはほとんど見ませんでした。ミニバンは家族の車である傾向と高級志向が強いからでしょうか。セダンは落ち着きや高級感を求める人が持つ物ですから必然的に無彩色になるのでしょう。ランエボとかインプレッサWRXとか走ってるとまた違う結果だったんでしょうけど。セダンの青系1は高級輸入セダンの濃緑です。
 昼間なので営業で走ってる軽バン軽トラがけっこう多かったです。小型トラックの青系が1になってますが、これはホンダ アクティトラックに設定されている青色です。軽トラ軽バンはやっぱり白が多いですね。カーコレクションだと軽トラやボンゴが半分くらいはシルバーなわけですが・・・

続いて、夕方の帰宅時間の調査。

夕方19時頃 15分間調査
  コンパクト セダン ミニバン 商用バン 小型
トラック
11 7 5 10 5 2
13 11 8 3 4 1
14 0 4 5 0 0
赤系 5 5 0 1 0 0
青系 1 2 0 0 0 1
その他            
(割合) 37% 21% 14% 16% 8% 3%

夕方のラッシュ時は会社から帰宅する人が多いので軽自動車とコンパクトカー多め、商用車少なめという感じ。小型トラックの青系1はキャンターに設定される独特の青色。

まとめ
 やっぱり白・銀・黒の無彩色は多いですね。ただ、実際「白」と言っても暖かい感じのホワイトだったりパールホワイトだったりするわけです。レクサス系の青みがかったホワイトというのもあります。銀においては普通のシルバーが大多数ですが、黄色っぽい色や薄いピンクのメタリックカラーの車もよく見ます。
 商用車は特別な理由がなければホワイトに無塗装樹脂バンパーが基本です。個人所有で他の商用車と差を付けたい!という人が銀や青等の色を選ぶことがあるようですが、少数派です。


雑記
よく某所の掲示板で旧型車ファンvs現代車ファンという図式でカーコレのラインナップに関して議論してるのを見る。ジオラマやレイアウトに使うという目的では自動車も時代を合わせたいわけで、当然自分の作ってるジオラマの年代に合った車しか要らないということになる。そんな議論で見かけたのが「旧型車は現代でも置いておかしくないだろ?」という旧型車ファンの主張。確かに現代車であるプリウスを昭和の街並みの中に置くのはタイムパラドクス的におかしい、現代の街並みに昭和70年代くらいの車が存在するのはあるかもしれない。しかし、可能性があるというだけで実際無いに等しいと思わないか?旧車マニアの集団ドライブでも再現すれば現代の街並みに旧型車を置いても違和感が無いかもしれないが、そういう光景を再現したいと思ってる人はどれだけ居るのだろう?そもそも旧車マニアの集団ドライブというシチュエーション自体、見ることが無いのだが。ともかく、「旧型車は現代でも置いておかしくないだろ?」という書き込みを見て、とても不思議な感じをおぼえたのであった。
 
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